空き家対策をめぐり新た対策として、法の一部改正を施行しました。
これにより「管理不全空家等」が新設され、空き家問題が早急に解決できる期待が持てるようになりましたが、そもそも「管理不全空家等」と「特定空家等」は何が違うのか分からない方が多いかと思います。
ここではその違いをお伝えしていきます。
「管理不全空家等」と「特定空家等」の違い
両方の違いを簡単にお伝えすると、「管理不全空家等」はあくまでも空き家の管理を促す措置を行うものであるのに対し、「特定空家等」は行政がより強力な権限を持ち、所有者に対し直接行政措置を行うことができます。
管理不全空家等
●一年以上、誰も住んでいない状態の家で管理が不十分である状態
●目視で管理ができていないと分かる状態
例えば、窓や屋根の一部が破損していたり、敷地内に雑草が生い茂っている状態のとこをいいます。
特定空家等
●一年以上、誰も住んでいない家で、管理がほとんどされていない状態
●一年以上、水道やガスなどのインフラが使用された形跡がない状態
●倒壊の恐れ、景観面、防犯面、衛生面で害を及ぼす危険性の高い状態
行われる措置の範囲の違い
管理不全空家等と特定空家等では、行政が行う措置の範囲が異なります。
管理不全空家等は助言・指導、勧告の措置までとなりますが、これが特定空家等となると勧告の措置からさらに命令・行政代執行あるいは略式代執行とより厳しく重い措置が取られます。
罰則の違い
特定空家等と管理不全の明確な違いは、所有者に課せられるペナルティの大きさです。
管理不全空家等は、あくまで空き家の適切な管理を促す措置で金銭的な罰則はありません。ただし管理不全空家等の段階でも勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から除外されます。
適切な管理を怠り、特定空家等に指定された空き家に対して行政は命令や行政代執行を行えるようになります。命令に違反した場合、所有者に対しては50万円以下の過料が課せられたり、行政代執行でかかった費用は最終的には所有者が必ず支払わなければなりません。
以上のことから両方にはさまざまな違いがあります。言えることは、管理不全空家等でも特定空家等でも勧告の措置まで進んでしまうと、固定資産税等から除外され納税額が増えたりと所有者にかかる負担が大きくなるということです。
そうならないためにも適切な管理や対策を行うようにしましょう。