深刻な社会問題になっている「空き家問題」ですが、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部改正が2023年12月の施行されたより、困難を極めていた空き家問題の早期介入・対策・解決に一層の期待が高まっています。
しかし、空き家と一言でいっても空き家となっている理由はさまざまで、その全てが問題の空き家に該当するのかと言われると決してそうではありません。
ここでは空き家を分類別にお伝えしながら空き家が発生する要因も併せてお伝えしていきます。
空き家は4つに分類されている
総務省が実施している「住宅・土地統計調査」では、空き家は4つに分類されています。
●売却用の住宅・・・新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅
●賃貸用の住宅・・・新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅
●二次的住宅・・・別荘や残業などで遅くなった時に寝泊りするだけで、普段は人が住んでいない住宅
●その他・・・上記以外の人が住んでいない住宅で、例えば転勤・入院などのために、居住世帯が長期にわたって不在の住宅や、建替えのなどのために取り壊すことになっている住宅など(空き家の区分の判断が困難な住宅を含む)
このうち「二次的住宅」「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」は、寝泊り目的などとして実際使用されていたり、売却・賃貸のために定期的に管理されていると考えられます。
一方で、「その他の住宅」に分類される空き家に関しては、実際に人が住んでおらず長期にわたって不在であり、定期的な利用もされておらず、管理も不十分になりがちなためそのまま放置される可能性が高い空き家といえ、問題の空き家はこの「その他の住宅」に分類されます。
空き家が発生する主な要因
「その他」に分類されている空き家が発生する要因はさまざまだとされていますが、ここでは主な要因をいくつかお伝えしていきます。
●実家を相続したが、居住する予定はない
実家を相続したものの、既に自身は家やマンションを購入していたたり、実家が遠方で自身は職場や生活基盤ができているのもあり、居住する予定がない
●将来親族の誰かが住むかもしれない、他人が住むことへの抵抗感
思い出の詰まった実家を売却することへの躊躇いや、他人が住むことへの抵抗感から賃貸にも出せない、もしかしたら将来親族の誰かが必要とするかもしれない、などの理由から、まだ居住できる状態にも関わらず空き家になってしまう
●1人暮らしの親が高齢施設に入居、もしくは病気などで長期入院となった
親が1人暮らししていた実家が、親の施設入居や長期入院などの理由により空き家になってしまった
●解体費用をかけたくない、家財などを片付けるのが困難
解体するには相当の費用がかかります。その費用を工面できず、結果的に空き家を放置状態にすることになったり、家財や荷物が多すぎて簡単に片づけられず放置してる状態がつづいている。
このように空き家が発生する要因はさまざまです。しかし、どの要因にしても放置し続ければ、「管理不全空き家」もしくは「特定空き家」に指定されるのは避けられないでしょう。
そうなる前に、空き家の所有者や将来、家を相続するといった方は早めに解決策を見出すことをおすすめします。