誰も住んでいない空き家だからといって全ての空き家が特定空家等・管理不全空家等に該当されるわけではありません。
それぞれ定義があり、その中でさらに細かい基準に分けられています。基準には参考とされるものがあり、特定空家等・管理不全空家等に該当される空き家かどうかはそれらを参考基準として判断されます。
ここでは、衛生上有害とされる参考基準をお伝えしていきます。
衛生上有害に関して参考とする基準
ここでは、特定空家等は「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」
管理不全空家等は「同じくそのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれのある状態のことをいいます。
その判断は、放置した悪影響ごとにそれぞれの状態の例を参考として、総合的に判断されます。
以下に状態の例をより具体的にお伝えします。
石綿の飛散
(特定空家等)
●石綿の飛散の可能性が高い吹付け石綿の露出、または石綿使用部材の破損など
(管理不全空家等)
●吹付け石綿の周囲の外装材、または石綿使用部材の破損など
健康被害の誘発
1.)汚水等
(特定空家等)
●排水設備(汚水槽を含む。以下同じ。)からの汚水等の流出
●汚水等の流出のおそれがあるほどの著しい排水設備の破損など
(管理不全空家等)
●排水設備の破損など
2.)害虫等
(特定空家等)
●敷地などからの著しく多数の蚊、ねずみ等の害虫の発生
●著しく多数の蚊、ねずみ等の害虫の発生のおそれがあるほどの、敷地などの常態的な
水たまり、多量の腐敗したごみ等
(管理不全空家等)
●清掃等がなされておらず、常態的な水たまり、多量の腐敗したごみ等
3.)動物の糞尿など
(特定空家等)
●敷地などの著しい量の動物の糞尿など
●著しい量の糞尿などのおそれがある常態的な敷地などへの動物の棲みつき
(管理不全空家等)
●駆除等がなされておらず、常態的な動物の棲みつきが敷地などに認められる状態
以上、今回は「衛生上有害に関して参考とする基準」についてお伝えしました。
長年放置されている空き家は、害虫の発生や動物の棲みつきなどがおきやすく、これは近隣の家に直接的な悪影響を及ぼす可能性が非常に高いのです。
所有されている空き家を放置し続けている所有者の方は、ご自身に衛生上の直接的な被害がないので被害の実情をあまり実感できないかと思われますが、実際は想像以上の悪影響を及ぼしてしまっていると考えた方が良いでしょう。
こういったことから近隣住民から苦情が来る前に、一日でも早い改善をすることをおすすめします。