一部法改正で「管理不全空家等」が新設され、今までより行政が早期介入できるようになったことで深刻化している空き家問題に歯止めを打てる期待が持てるようになりました。
しかし、問題は山積みであることも事実です。
管理不全空家等で必要な措置を行わなかった場合、さまざまな判断と理由から「特定空家等」に指定される空き家も少なくありません。特定空家等となった空き家等の所有者に対し、行政はより厳しく強い法的措置を行うことができます。
ここでは特定空き家等の措置とはどのようなものなのかお伝えしていきます。
特定空家等に対して法の規定を適用した場合の措置
助言・指導・勧告
管理不全空家等から特定空家等に指定された空き家に対し、市町村長は空き家の所有者等に除去、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な、助言もしくは指導、勧告をすることができます。
命令
管理不全空家等の段階では行えない「命令」が、特定空家等に指定された空き家等に対しては行えるようになります。
行政による代執行
命ぜられた所有者等がそれでもなお、措置を行わない場合、もしくは措置を行ったが十分でない、または措置を行っているが事前に通達のあった期限内に完了する見込みがないと判断された場合、行政代執行を行うことができます。
災害時における緊急代執行
災害その他、非常時において緊急に必要な措置をとる必要がある場合で、命令する猶予がないときは、従来の規定にかかわらず代執行することができます。これを「緊急代執行」といいます。
略式代執行
所有者等の所在が不明で確認がとれなく、措置を命ずることができない場合、所有者の負担において「略式代執行」を行うことができます。
このように、特定空家等に指定されると、管理不全空家等より行政が行える措置の範囲が広がり、その措置の内容もより厳しいものとなります。