現時点では特段の問題がない空き家でも十分な管理をせず放置し続ければ、いずれ「管理不全空き家」「特定空き家」に指定されるのは避けられないでしょう。
社会問題と言われているように、空き家問題は所有者だけの問題ではありません。
空き家は適切な管理がされないと劣化が早く進み、そのリスクは所有者だけが被るというわけではなく、空き家を放置するということは、その近隣に住んでいる住民、大きくいえばその地域全体に悪影響を及ぼすことにも繋がります。
ここでは空き家を放置するリスクを具体的にいくつかまとめました。
空き家を放置するリスク
●家屋の倒壊や破損の恐れ
空き家を放置することで劣化が進み、台風や地震などの災害で倒壊する危険性が高まります。また、破損した外壁材や屋根材などが落下して、隣人や通行人などに当たる恐れもあります。
●ネズミや害虫の発生
長期的な空き家は劣化もリスクだけではなく、ネズミや害虫の発生や繁殖に繋がります。これらが大量に発生すると近隣住宅にまで侵入したりと、衛生面からも悪影響を及ぼす可能性があります。
●ゴミの散乱や雑草の繁茂など景観の悪化
ゴミが散乱、不法投棄されていることで悪臭がしたり、雑草が繫茂する、庭木の枝が道路や隣家の敷地にはみ出し通行人に怪我をさせたりする危険性や、これらが景観の悪化を及ぼし、周辺地域の生活環境にも悪影響をもたらします。
●不法侵入や放火などの犯罪の危険性
空き家が放置されることで、不法侵入され不審者の出入りや、放火などといった犯罪の危険性が高まると同時に、治安の悪化に繋がる可能性があります。
このように適切な管理を怠り、空き家を放置するということは所有者だけでなく、周辺地域の不動産価値が下がる可能性や、犯罪の温床にも繋がり、近隣に危険性や悪影響を与えるのです。
また、例えば破損した外壁材が落下、道路にはみ出た枝で通行人が怪我を負う、放火などの火災により隣家まで燃え移り損害を与えることになってしまうと損害賠償責任を問われる可能性もあることを忘れてはいけません。
自分だけの問題だからと空き家の問題から目を逸らさず、自分だけで対策・解決するのが困難であれば、まずは所有している空き家がある役所や自治体に相談することから始めてみましょう。